鉄町

鉄と書いて、くろがねと読む。普通の人は読めないでしょう。鉄町と聞いてピンときた方、それは当然です。ここには、全国的も有名なものがあるのです。高校野球、それとも東大合格率。もうお分かりでしょう。かの有名な桐蔭学園がある場所です。

ここには、中学時代、わざわざ来たことがあります。鉄町は佐藤春夫の「田園の憂鬱」の舞台でもあるからです。しかし、その当時の私は桐蔭学園が嫌いでしょうがなかったです。超有名進学校に恐れをなしていました。でも、舞台を見てみたいとびくびくしながら歩いたものです。

桐蔭学園内に入る

約10年近く前の苦い経験を克服するために、その桐蔭学園に入り込みました。桐蔭学園は鉄神社という神社の境内を利用して作られているようでした。びくびくしたりすることはありませんでした。意外なものを発見!!学園バス乗り場の入り口に日露戦役紀念碑が建っていて、その文字を書いたのはあの有名な乃木希典です。ここの学園の創立に関わったのでしょうか。それとも鉄神社関係でしょうか。

鉄というところから、戦関係の神社でしょうか。そうすると勝負に強い神社かも知れません。実際、合格祈願が境内に多くありました。桐蔭学園の強さはここにあるのかもしれません。学校を出て、市ヶ尾方面に向かいます。もちろん、旧道をです。

田園の憂鬱、由緒の碑

ついに見つけましたよ。10年越しというべきですか。佐藤春夫氏の姪の方が建てたもののようです。交差点の側にありました。市ヶ尾方面左側を歩いていれば、見つかるはずです。

「田園の憂鬱」は、大正時代の鉄町が舞台で、風景の描写が文中に出てきます。その描写も、なにか、陰気なものに感じられました。題名からして憂鬱ですから、主人公の苦しい心情とその当時の鉄町の風景描写があいまって、読んでいる自分までもが苦しくなってきます。
続く