天狗道祖神(山之根稲荷)

山之根稲荷の左手に、探していた天狗道祖神があります。顔面が欠け、のっぺら坊になっています。「新多摩石仏散歩」掲載の1993年当時の写真でも既にのっぺら坊です。「成瀬の石仏」によれば、この道祖神も、例外でなく、「元は奈良谷戸川と三ツ又川の合流する山村橋(都営団地の北)のたもとにあった。」といいます。この道祖神の前でどんど焼きが行われていたそうなので、状態が良くないのは、そのためかもしれません。

元文2年(1737)の銘があります。他の天狗道祖神と比べてみると、東光寺のものは不明ですが、西山児童公園のものが享保14年(1729)である事を考えると、これら3つの天狗道祖神は同年代に作られたものなのかもしれません。また、「奉建立登神」と刻まれていますが、「新多摩石仏散歩」によれば、西山児童公園の天狗道祖神の事を考えると、祭→登の誤りであって、「サイノカミ」と呼ぶのではないかとしています。

石灯籠

山之根稲荷の境内には、他にも石仏が置かれています。この石灯籠は、文化3年(1806)年のもの。

写真を撮り終わって、そろそろ帰ろうと隣の畑の境付近まで来ると、その畑にいた二人連れの農家のおじさん達に「いい写真取れたかい?」と話し掛けられます。私をここに来た時から見ていたのです。「まあまあですね。成瀬にある三つの天狗道祖神を撮っているのです。」「有名だからね。前にも同じ人がいたけど。」「そうですか。(東光寺と同じ人かな…)」

分岐を右へ

目的だった成瀬の三つの天狗道祖神を回ってしまいました。これから、成瀬の石仏を巡りながら、町田駅に向かう事にします。

成瀬街道に戻り、今まで通り、西進します。コンビニがある分岐を右に進み、成瀬を代表する寺、東雲寺へ。
続く